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2026/10/06 10:24
珈琲の好みを聞くと、「酸味のある珈琲はちょっと苦手」という方が結構いらっしゃいます。でも、珈琲でいう「酸味」と、単純に「酸っぱい」というのは少し違います。例えば、オレンジやリンゴ、ベリーを食べたときにも酸味を感じますよね。でも、それを嫌な酸っぱさとは感じないことも多いと思います。珈琲の中にも、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸など、さまざまな有機酸が含まれています。こうした酸は、珈琲の明るさや爽やかさ、果実を思わせる印象などに関係しています。ただし、「クエン酸があるから必ずレモン味」というように、一つの酸と一つの味が単純に結びついているわけではありません。珈琲の酸味は、いくつもの成分が重なって感じられる、かなり複雑なものなんです。
では、なぜ珈琲によって酸味の感じ方が違うのでしょうか。
これまでの記事でご紹介してきた産地、品種、精製方法、そして焙煎が関係しています。例えばエチオピアやケニアの高品質な珈琲では、柑橘やベリーのような明るい酸味を感じることがあります。そして焙煎によって酸の構成も変化するため、一般的には浅煎りではこうした明るさを感じやすく、深煎りになるにつれてロースト感や苦味が前に出やすくなります。ただし、酸の種類によって焙煎中の増減は異なるので、「深煎りにすれば酸が全部なくなる」というわけではありません。もう一つ覚えておきたいのが、抽出です。せっかく良い酸味を持った豆でも、抽出のバランスが崩れると、酸味だけが尖って「酸っぱい」と感じることがあります。つまり、「酸味がある珈琲」と「ただ酸っぱく感じる珈琲」は同じではないんですね。抽出条件によって、有機酸の抽出量や酸味の感じ方が変わることも研究されています。
個人的には、珈琲の酸味は「果物のような爽やかさ」と考えると分かりやすいと思います。
レモンのようなキリッとした酸味もあれば、リンゴのようなやわらかな酸味、ベリーのような甘酸っぱさもあります。なので次に珈琲を飲んだとき、「酸っぱいから苦手」で終わらせずに、「これ、何の果物っぽい酸味だろう?」と少しだけ考えてみてください。今まで苦手だと思っていた「酸味」が、実は珈琲の面白さの一つだったと気付くかもしれません。そして誰かに、「珈琲の酸味って、ただ酸っぱいって意味じゃないんだよ」と話したくなったら、また少し珈琲を見る目が変わってきた証拠です。
それでは、ハヴァグッドコーヒータイム。

